こんにちは、ゆきふるです。
コーンの分類の2段階目、拒否&期待期の話です。
この時期は事実を拒否することと将来への期待が入り混じってきます。
これは防衛反応で心が傷つかないようにするためなんですね。
私にもこの拒否&期待期がありまして、
この頃は自分が不妊治療をしたら絶対にこどもを授かるんだと
信じ続けて過ごしていました。
エネルギーは高めだったと思います。
そんな時期が半年くらいありました。
心が弱っているときにはどんな可能性にもかけてみたくなります。
いろいろなことを試しました。
今回はそんな拒否&期待期についてお伝えします。
拒否&期待期の特徴
ショック期を経て、だんだんと治療に向けて行動していくことになります。
実際に治療が始まると、耐えなければならない現実も起こります。
「今回もだめだった・・・」
「治療のために会社を休みづらい」
「薬が合わないなぁ」などなど。
そうすると、体にも心にも負担がのしかかってきます。
心にも変化が出てきます。
気分や感情をまとめました。
1.どんな気分になりやすい?
拒否:この不安は一時的なもの、私に限って大丈夫、うまくいかないはずがない、私は普通だ
期待:多幸感、絶対的な自信、頑張れば報われる、奇跡を信じる
この時期は「大丈夫だと思いたい」時期です。
こどもができないことを受け入れられなくて、
こどもができると思える要素を集めている感じです。
「前回よりもここがよくなった。」
「本に書いてあるよりも血液検査の結果がよかった。」などに
一喜一憂します。
この頃はこどもができると信じて疑わないので、
こどもが生まれたらどうするとか、お金のこと、家のことなども
積極的に前向きに考えます。
なので、幸せを感じたり余裕がでてきます。
頑張れば報われるんだと考え、普段よりも頑張ろうとします。
2.どういった行動をとりやすい?
妄信的、新しいことを試したい、取引、我慢、努力、ゴールへ一直線、よくない結果を見ない、周りに当たる、チャンスを探し続ける、否定的な助言には怒る、ダメだったらと考えない、否定されると急に怒り出す
この頃は「猪突猛進」、そして「秋の空」のように目まぐるしい感情の変化を見せます。
パートナーと温度差が出てくることも。
まずゴールに向かって猪突猛進、こどもができる可能性のあることは試したくなります。
少しでもいい情報を、少しでも体にいい環境をと躍起になります。
それは努力の対価で成功(こどもができる)を与えられる、
つまり取引しようと考えるんですね。
この考え方が依存、妄信的に何かを信じる行動に繋がっていきます。
また、「秋の空」のように気分がコロコロと変わります。
さっきまで良いと思ってたものを疑ったり、突発的に何かを始めたり辞めようとしたりします。
自分が欲しい助言以外はかたくなに受け取れないことも。
何を信じていいのか、これでいいのかと自問自答し続けているからなんですね。
不妊治療をゴールの見えないトンネルのようだと例える人もいますが、
まさに手探り状態というわけです。
3.どう変化していく?
悲嘆期に向けて、だんだんと感情が乱れやすくなってきます。
長い先の見えない未来への不安に耐えていたのが、限界を迎え始めます。
怒り、悲しみ、焦り、周囲へのイラつき、絶望感、うらやましさ、恨み、攻撃的、殻にこもる、話したがらない、自分をコントロールできない
拒否と期待で前に進んでこれたのが、徐々に足が止まってくる感覚になります。
私の拒否&期待期
簡単にいうと、私はいろいろなことを取り入れた時期でもありました。
少しハイになっていた時期もありました。「信じれば救われる」と考えていたんですね。
最初は科学的根拠のあるものを試していました。
体を温めるお茶やマッサージ、サプリメント、ヨガや筋トレなど。
体質を変えると謳っているものを取り入れました。
治療だけでなく、体質を変えることも大事だと思っていました。
その効果が出ないと今度は『意識』がダメなんだと思うようになりました。
以下は私がスピリチュアルにハマっていったときの回想です。
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「こどもが欲しいと思って頑張ってた時はできなくて、
こどもを諦めたとたん、できたらしいよ」
不妊治療をしている人は一度は言われたことがあるだろう。
そんな言葉に希望を感じて、じゃあ頑張らないでおこうと決めた。
お茶やマッサージ、サプリなどの『商品』は試した。
でも効果がでなかった。
ヨガや温活、筋トレで『体づくり』を始めた。
よく眠れるようになった。でも妊娠はしなかった。
『意識』を変えれば妊娠できるかもしれない。
もう藁にもすがる思いだった。
休日は専門書を読み、ご利益のあるという神社にも何度も行った。
「意識が変われば現実も変わる」
「引き寄せの法則でなりたい現実を引き寄せる」
「かなわないのは強く願わないからだ」
私の中にスピリチュアルという初めてのものが流れ込んできた。
治療もサプリもヨガも効果がでない。
意識のせいだ、意識のせいだ、意識のせいだ。
私は意識世界というものを深く考えるようになった。
スピリチュアルな本の中に『私は信じたから妊娠しました』と笑う女性がいる。
私もそうなりたい。
私はスピリチュアルな世界に傾倒していった。
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「私も参加していいですか?」
SNSから主催者にメッセージを送った。
スピリチュアルを学ぶ集まりの「お茶会」だった。
私の何かがダメだから、妊娠しないんだ。
そんな考えになりつつあった私は「意識」を変えるしかないと本気で思っていた。
自分がもっと意識を変えれたなら、あるいは強く引き寄せるすべを知ったなら、
きっと妊娠するだろうと。
ドキドキしながら最寄り駅についたのが午後17時半。
18時に集合、会費はお気持ち制とのこと。
相場が分からないから3000円と5000円が入った封筒をカバンに入れた。
集まったのは、とあるカフェの一角。
ワークショップも開催されているカフェでスクリーンなども常備されていた。
そのテーブルに案内されると、みんなが挨拶してくれた。
女性7人で30代の方が一番多かったかな。
私は一番年下だった。
皆一様に悩みを抱えていた。
毒親との関係、夫との不仲、こどもの不登校、病気・・・
悩みの内容は違っていたけれど、みんな本気で悩んでいて、
現状を変えたいと願っていることは共通していた。
そこでDVDを見たんだ。
女性が意識の世界について話している講演会の映像だった。
その女性は幸せそうで、余裕があって、きれいでよく笑い、なんというかキラキラしていた。
女性らしいふんわりした髪型、柔らかそうで自然な生地の薄黄色のワンピース、
白い肌とピンクの頬、ベージュのシンプルなネイル。
女性が話すとDVDの中から観客の「へぇ~」という声が漏れる。
見ていると本当に無敵感や多幸感がこみあげてくるから不思議。
周りを見渡すと、うっとりした表情でスクリーンを見ている。
「憧れの存在」を見る目というのはこういうのを言うのかなと
頭の片隅で思った。
DVDを見て、ワークショップをやった。
白い紙に自分の好きなものの写真をコラージュしていくもの。
「なりたい未来にふさわしいものを貼ってくださいね」
主催者が言う。
私は確か畑でこどもと芋ほりをしている家族の写真を貼った。
他にも白くて大きい犬、キャンプに行けそうな大きめの車、田舎の日本家屋の写真も。
こどもができたら自分がそうだったように自然や動物にふれあってほしい。
そう考えている時間は本当に幸せだった。
これは今に始まった気持ちじゃない。
きっと高校生くらいから、いつかは母になると思っていたから、
「私の作りたい家族像」がもうしっかり確立されていたんだ。
そう気づいて、治療を頑張って絶対にこどもを授かるという気持ちが一層強くなった。
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スピリチュアルな世界はとても魅力的で幸せを感じました。
私は昔も今も無宗教で特に信心深いほうではないかもしれません。
でも、心が満たされないとき、不安なときに
ただ信じられるものがあることは心の救いになるんだと知りました。
でも、私の場合はスピリチュアルな世界は長くは続きませんでした。
続きは次の記事で書きます。
不治の病になった人や自分では変えられない過酷な環境にいる人が、
宗教に入信するというのはよく聞きます。
何かを崇めたり、信じていると辛いことを感じづらくなるんですね。
希望や期待、いい面を見れるようになって、精神的には楽でした。
新しい価値観と経験を得たできごとでした。
拒否&期待期の過ごし方
「原因がわからないときが一番不安で居心地が悪い」んです。
だから、なんとかしたくて行動して、その行動で原因がわかるんじゃないかと思う。
でもわからないからまた別の行動をとる。
そんなふうにぐるぐるとまわっているような感覚でした。
このときのエネルギーはすごいです。
集中力がグワーッとあがっていきます。
だから、周りが見えなくなりやすい。
自分が欲しい情報しか受け入れようとしない。
客観的に見ることができない状態です。
だから、この時期は「冷静になること」を心掛けましょう。
自分がこれ以上傷つかないために必死になりやすいです。
もし、自分が熱中しすぎているなと感じたり、
孤立しているなと感じたら一度立ち止まってみてください。
時間がないと感じる焦燥感もあるかもしれません。
でも休みなく頭も体も動き続けることはできません。
「ちょっと休憩しよ」
これを合言葉にして休み休み進んでいってください。
次は悲嘆期について書いていきます。